労務費ダンピング調査実施 ~ 適正価格と持続可能な建設業へ ~

   私は、大阪府高槻市で建設業許可及び産業廃棄物処理業☆産業廃棄物収集運搬業の許可申請の代行を23年間営んでまいりました行政書士浜田温平事務所所長の浜田温平です。 私は、高槻市を拠点として茨木市、島本町、枚方市、寝屋川市、池田市、守口市、箕面市、大阪市、摂津市、吹田市、豊中市など北摂を中心に活動している行政書士です。
 建設業界において「労務費ダンピング調査」が実施されるとの報道がありました。(建通新聞 令和8年1月9日) 本日は、このテーマについて行政書士の立場から整理してみたいと思います。
【労務費ダンピングとは何か】
労務費ダンピングとは、「本来必要とされる技能者の労務費を適正に見込まず、過度に低い価格で受注する行為」を指します。
 公共工事では予定価格の範囲内で競争が行われますが、その中で「人件費」を過度に圧縮することが問題となっています。
結果として、
 ・技能者の賃金が上がらない
 ・若手が入職しない
 ・下請けにしわ寄せがいく
 ・品質低下や事故リスク増大
 といった悪循環が起こります。

【なぜ今、調査が強化されるのか】
 近年、国は「技能者の賃上げ」を政策目標に掲げています。
 しかし実態としては、
 ・元請から下請へ
 ・一次から二次、三次へ
 と重層構造の中で労務費が削られるケースが見られます。
  そこで、入札時の積算内容や実際の支払状況を確認し、不当に低い労務費設定がないかを調査する動きが強まっています。
 これは単なる価格調査ではなく、建設業の持続可能性を守るための施策と言えます。

【企業側が注意すべきポイント】
 ①積算の透明性
  見積書や内訳書で労務費がどのように算出されているか説明できる体制。
 ②下請契約の適正化
  著しく低い請負代金は建設業法違反に該当する可能性。
 ③社内の賃金実態との整合
  受注金額と実際の支払賃金が乖離していないか。
 ④経営事項審査(経審)への影響
  技術職員数や完成工事高のバランスも問われます。

【行政書士として感じること】
  私は長年、建設業許可や経審、入札関連業務に携わってきました。
 近年特に感じるのは、
 「安く取る」時代から「適正に取り、適正に払う」時代へ確実に流れが変わっているということです。
 企業の利益を守ることも重要ですが、人材がいなければ事業は続きません。

【ダンピングは誰を苦しめるか】
 短期的には受注できるかもしれません。
 しかし長期的には、
 ・技能者不足
 ・品質事故
 ・信用低下
 ・経営悪化
 につながります。
 結果として、企業自身を苦しめることになります。

【これからの経営に求められる視点】
 これからの建設業経営に必要なのは、
 ・適正な労務費確保
 ・若手人材への投資
 ・下請との公正な関係
 ・数字に基づく経営管理 です。

中規模(従業員50名程度)建設関連の企業とよくお話をするのですが、給与設計や等級制度の整備は、企業の将来を左右するとよく話題に出ます。
 労務費ダンピング調査は、単なる「締め付け」ではありません。 建設業を次世代に残すための改革です。

微力ではありますが、今後とも建設業の発展の一助となれるよう精進してまいります。