石綿労災認定事業場 ― 建設業は802事業所 ~数字が示す現実と、いま向き合うべき課題~

 私は、大阪府高槻市で建設業許可及び産業廃棄物処理業☆産業廃棄物収集運搬業の許可申請の代行を23年間営んでまいりました行政書士浜田温平事務所所長の浜田温平です。 私は、高槻市を拠点として茨木市、島本町、枚方市、寝屋川市、池田市、守口市、箕面市、大阪市、摂津市、吹田市、豊中市など北摂を中心に活動している行政書士です。
 
石綿(アスベスト)による健康被害について、労災として認定された事業場のうち、建設業が802事業所に上るという記事を目にしました。
 この数字は、決して過去の問題ではなく、いまなお建設業界が抱える深刻な課題を示していると感じます。

1.石綿被害は「昔の話」ではない
 石綿は、かつて
・耐火性
・断熱性
・加工のしやすさ
といった特性から、建材として広く使用されてきました。 その結果、解体・改修・補修工事などの現場で、作業員が長期間にわたり石綿に曝露し、年月を経て健康被害が表面化するケースが後を絶ちません。 労災認定が行われているという事実は、被害が「確定したもの」であり、決して推測や可能性の話ではないことを意味します。

2.建設業が多い理由
 建設業が石綿労災認定事業場の中で多くを占める背景には、
次のような構造的な要因があります。
・古い建築物を扱う機会が多い
・解体・改修工事で石綿含有建材に接触しやすい
・下請・再下請構造により情報共有が不十分になりがち
・過去の工事では石綿の危険性認識が十分でなかった
 これらは、個々の事業者の問題というより、業界全体として積み重なってきた課題といえるでしょう。

3.現在の建設現場に求められる対応
  現在では、
 ・石綿事前調査の実施、
 ・作業計画の作成、
 ・適切な保護具の使用など、
 法令上の対応は大きく強化されています。
しかし、「形式的にやっている」「書類だけ整えている」といった対応では、本来守るべき作業員の安全は確保できません。
 実際に労災として認定されている事業場の存在は、対策の重要性を現場レベルで再確認する必要性を示しています。

私は行政書士として、建設業許可や産業廃棄物関連業務に携わる中で、「安全配慮」が事業継続の前提条件になっていると強く感じます。
石綿対策は、単なるコンプライアンス対応ではなく、
・事業者を守る
・従業員を守る
・将来のリスクを回避する
ための重要な取り組みです。
ここでの802事業所という数字は、「まだ大丈夫だろう」という意識に対する、重い警鐘と受け止めるべきではないでしょうか。

 石綿による健康被害は、時間をかけて表面化するという点で、特に注意が必要な問題です。 建設業に携わるすべての事業者が、過去の教訓を踏まえ、いま何をすべきかを考えることが求められています。

 安全な現場づくりは、結果として事業の信頼性を高め、長く仕事を続けるための基盤になります。